6月12日「続・11人いる! 東の地平・西の永遠」EAST編・感想
「続・11人いる! 東の地平・西の永遠」の舞台を見て来た。
場所は京都劇場。京都駅すぐの場所にあり、迷う事なく行けた。
原作は萩尾望都先生の名作。
宇宙大学の入学試験に挑む10人だが、1人多いことから始まる「11人いる!」
その続編で、王様ことバセスカとその王様の星と兄弟星に当たる星に住むフォースを中心とした物語である。
約40年前の作品だが、原作は古臭さを感じさせない。
今読んでも何の違和感も無いのは、さすが名作と言われるだけはある。
この舞台はイースト編(以下、E編)とウエスト編(以下、W編)2パターンの配役で行われる。
つまり、ダブルキャストだ。
キャストは以下の通り。
タダ :石田亜祐美
フロル :工藤遥
バセスカ(王様) :譜久村聖
フォース :小田さくら
チュチュ :野中美希
オナ :牧野真莉愛
トマノ :佐藤優樹
ローン :尾形春水
石頭 :羽賀朱音
レッド :生田衣梨奈
ドゥマー :小方リサ(つばきファクトリー)
ゾンブル :汐月しゅう
バパ大臣 :未沙のえる
初めて見たのがこのE編。こちらが比較する上での基準となるのだが、
原作からしてそうなのだが、主人公はタダではなくバセスカであるのは異論は無いだろう。
E編でバセスカを演じるのは譜久村聖(以下、ふくちゃん)だ。彼女はこれまでの作品ではあまり目立った役所は無かったが、今作では大役を任された。
そして彼女は結果を出した。このE編ではMVPと言っていいだろう。
ふくちゃんのバセスカは、王としての責任感や威厳、人を惹き付ける素質を感じさせた。
現グループでのリーダーとして得た経験をこの役に見事反映させていたと思う。
普段はのんびりとした頼りない先輩、リーダーと言われているが、彼女以外にバセスカを演じきれるメンバーは他にはいない。
次に良かったのは、フォースを演じた小田さくら(以下、小田ちゃん)だ。
彼女はグループ1、歌が上手いと自他共に認める歌姫だが、この舞台でもその力を発揮させた。
彼女が歌えば周りの空気を一変させる。
バセスカを暗殺せよとの命令に葛藤するフォース。その心境を歌に乗せる場面はこの舞台のハイライトだ。
彼は苦悩する。親友を殺さねばならぬのかと。
自国のため、殺された叔父のためにも仇は討たねばならぬ。
追いつめられたフォースは親友を信じて自害する。
歌の表現力が無ければ無価値になってしまう重要な場面を、見事に演じきった。
個人的なMVPは、レッド演じる生田衣里奈だ。
出番こそ少ないが、他を圧倒する殺陣が凄まじくかっこ良かった。
衣装やカツラも他とは違い、まるで2.5次元ミュージカルのようで原作の造形とは違うが漫画から飛び出して来たような出で立ちだった。
台詞回しはまだまだ難があり、演技の部分でも安心出来ない。
しかし、圧倒的な存在感は彼女のスタイル、立ち振る舞いのお陰に違いない。
原作を読んでいたお陰で、話はついていけたが、時間的に描写不足なのは否めない。
原作に忠実が大事なのはその通りなのだが、原作で描ききれていない部分を補完するのがアニメ化や実写化の役目だと思う。
約2時間という短い中で描ききらなければならないのなら、原作有りの作品ではなくオリジナルでやるべきなんじゃないだろうか。
初めての感想で感じた事の3割も書けていないが、初なのでこんな感じで。
これから少しずつ理想通りにしていこう。
次は、ウエスト公演の感想を書こうと思う。